2008年1月14日月曜日

7. 蔵の2階は図書館 

(7.小学校のころ)

 家の裏には大きな2階の蔵がありました。この蔵は昔酒屋の酒蔵だったそうで、昭和の初めに家を買ったときについていたそうです。広さは1階、2階とも60畳分(30坪)あり、1階は土間で2階は板敷きでした。直径1メートルほどの大きな梁(はり)が2階の天井に見えていました。
家と蔵は泉水のある小さな庭でつながっており、入ると左側に唐臼(足踏み式の臼)がありその向こうに2階への階段がありました。
階段の下は米や麦の穀物置き場、右側は店の缶詰などの商品倉庫でした。奥には芋穴(地下に掘った芋置き場)があり、弟が母の言うことを聞かない時などはお仕置きとして、芋穴に閉じ込められました。
その先は裏の出入り口で、日中は常に開いていました。蔵の戸が厚くて重いので開け閉めが大変だったからでしょう。
蔵には大きな青大将(へび)が棲んでおり、蔵の中の卵をときどき飲みました。一度卵を飲んで長い胴体の一部が大きくふくれているのを見つけ、叔父が尻尾を持って振り回し殺しました。見つけたばかりに気の毒なことをしました。
2階に上がると、すぐ右には乾物などの在庫置き場で、奥には仕出し料理用の皿が何十種類も積まれていました。
中央や右の壁際にはいくつも長持ちやたんすなどの家具が置いてありました。その中に本箱もいくつかあり、叔父や叔母の小・中学校時代の教科書などが沢山ありました。
小学校の頃などはよく蔵の2階に登って探検をしました。
本箱の教科書の中で叔父の工業高校時代の数学の教科書があり、鶴亀算(鶴と亀の数と足の数からそれぞれ何匹か計算する方法)を連立方程式で解くページがあり、それから連立方程式を知り、随分楽に鶴亀算を解けるようになりました。
そのほかにも私には珍しい本があり、小学生の私にとっては蔵の2階は図書館でもありました。

(図はクリックすると拡大します)


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